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manga freak 's room 漫画フリークのレビュー部屋です。 今まで読んだ様々な漫画やコミックのレビューや感想、批評を独断と偏見で語ってます。 同人誌とかはありません。
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今までのジャンプ漫画の常識を打破るブラック漫画



連載当初は「なんだこの漫画?」という印象だったが、素直にはまった。
ドラマ化されるかな?と思っていたが、映画化された。
かなりの興行収益を得たようである。おめでとさま。


『ヒカルの碁』で人気が出た小畑健が作画担当で、(原作者は別)同じ作者の漫画を他の雑誌で連載するわけにはいかない、(~先生の作品が読めるのはジャンプだけ!)が売り文句だから。
ジャンプ漫画にしては対象年齢が高いし、内容も暗い。
主人公は高校三年生→大学生というのは、どちらかというとマガジンの年齢層である。

当初、特殊能力がメインの話だと思っていたが、話の本筋は “頭脳戦” である。
卓越した知力を有する二人の男が、相手の心理の裏の裏を読み、探りあいをする。
漫画からはサスペンス映画を見ているような緊迫感が伝わってきて面白い。

主人公が犯罪者、という位置付けも今までにはない(特にジャンプには)斬新な設定だった。
連載開始と同時に一気に人気を博し、本屋では常に表紙が上に向けられておかれていた。
私も愛読者の一人であった。

が、それも第一部まで。

更にいうと、第一部の終わり方はかなり納得がいかない。
というかがっかり。
内容を書いてしまうと所謂ネタバレになってしまうので、ここでは敢えて書かないが、原作者の考えの浅さを感じた。

また、作者は最初から物語を最後の話まで考えて描き始めたのではないように思う。
特に第二部からは、ジャンプお得意の延命措置的な雰囲気も漂う。
この作品も竜頭蛇尾。

まぁ、色々と問題や批判もあったのだと思う。
人気が出て、知名度が上がれば様々な批判に晒される。
特にこの手の漫画が、小中学生をターゲットとしているジャンプで連載されているのだから、
PTAも黙ってはおれないだろう。
中国では、DEATH NOTE という名前のノートが売り出され、いじめの道具に・・。

久々のヒット漫画か?と期待していたのに・・・。 

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まるで大河ドラマ

 これまた少女漫画の名作。
連載中は知らなかったのだが、後々本屋で面白そうな作品を探していたときたまたま目に入って買ってみたのがこの漫画にはまったきっかけ。少女漫画にしては戦記物である、異色である。
もちろん、ラブストーリーもあるが、単なる好いた惚れただけの関係ではない。

ストーリーは未来の仮想世界の話。
暴君の圧制に苦しむ民衆を代表し、立ち上がった革命家がいた。
主人公はその妹だが、兄は暴君の息子に殺され、
その代役になり、男として数々の戦いに挑んでいく。
というのが大まかな流れ。

画は質が高く、少女漫画のなかでも写実的な部類にはいる。
主人公の少女はヒロインらしい外見で、かわいらしい女の子といった感じだが、戦いのために刀を振り回したり民衆を扇動したりと、どちらかというとジャンヌダルクのように描かれている。

多少エグい話もあるので、純粋な少女漫画としては少々度を越えているところは否めない。
だが、それが更に少女漫画というカテゴリーを越えることができた(良い意味での)要因になっている。

また、話の節々に、中国史や日本の戦国時代に出てくる逸話を参考にしたと思われる箇所が見られ、作者が史記、項羽と劉邦、三国志、源平、等の歴史に影響されているのがわかる。
少女漫画の作者では本当に珍しい。

本編終了後、“外伝”として多くの短編がある(コミック約1冊分)短編では、特定のキャラクターの過去や本編終了後の続編を描き、これがそれぞれおもしろい。
まるで、最初からこの外伝を書く予定だったのでは?という計画性さえ匂わせている。
その外伝ですら、最後はまるで、手塚治虫の 『火の鳥』 を髣髴とさせる様な話だ。

話の設定がかなり壮大なので、一気に読むと長編映画を見たような気分になる。
是非おすすめしたい漫画である。


漫画史に残る名作長編漫画

現在42巻まで出ていて、続いている。
連載は滞っており、新刊も4年に一度という有様だ。
それもこれも、作者がコミック用に、連載用とは別の原稿をわざわざ書き換えているというから驚きだ。
実際、連載の話とコミックの話では異なる話が多い。


本作品のテーマは“演劇”である。
たまに映画やTVなども出てくるが、ほとんどは舞台劇である。
話の進み方やキャラクターの構成など、実によく出来ていて、少女漫画の必須要素である恋愛も、この漫画では重要なポイントになっている。
また、連載開始当初の流行でもあったスポ根的要素もあり、(少々行き過ぎた)稽古や、生涯のライバルもいる。
ここは、『エースを狙え』の岡ひろみとお蝶婦人の関係と酷似している。


おおまかな粗筋は・・・
主人公北島マヤは何のとりえもない比較的貧しい母子家庭の一人っ子で
演劇を見ることが唯一の趣味だった。
あるとき、かつての名作「紅天女」の上演権をもつ大女優、月影千草に才能を見出され、
演劇の道に入っていく。
演劇界で天才少女の名を欲しいままにしてきた姫川亜弓にかなわないと思いつつも、
彼女もまた、マヤの才能に恐れを抱いていた。
また、一方で「紅天女」の上演権を得ようと躍起になっている大手芸能社の若社長、
速水真澄はマヤと対立しながらも陰ながらマヤを支えていくうちに惹かれていく・・・


主要人物は主人公を含めこの4人であるが、それぞれのキャラがしっかりと出来上がっていて共感できる部分が多い。
各々が光と影の部分を持っていて、均衡が取れている。
主人公と残りの3人との絡みが、物語を演劇一辺倒にさせない工夫であり、読者を飽きさせない。

主人公が成長していく物語はよくあるが、たいてい途中で飽きてしまう。
その一番の理由は“敵なし”状態になってしまうからだ。
この物語でも、一時主人公はかなりの所まで上り詰め、一躍有名人になる箇所がある。
その順風満帆のような状態に読者はだんだんと飽きてしまう。
普通の漫画なら、それからの展開は、無理やり引き伸ばすだけの延長編になるだろう。
ところが、この漫画のうまいところはそこからで、主人公を再び人生の谷に突き落とす。
そこからの復活劇がまた読者を引き込むのだ。

この話を大まかに三つに分けてみると
1、演劇 2、友情 3、恋愛
になる。
1の演劇においては、自分の師匠とともに演劇の稽古と修行をして新たな舞台に臨む、というパターンだが、うまいことに演技のレベルがだんだんと上がっていくのがわかる。
演劇と聞くと、イマイチその難易度等、ピンとこないものがあるが、この話を読んでいると主人公が段々と難しい役に挑んでいくのがわかる。
2の友情はライバルとの関係である。この辺は友情という言葉に当てはまるかどうか微妙ではあるが・・・。
主人公にもライバルにもはっきりとした友達はいない。(仲間や取り巻きはいるが・・・)
二人はお互いの才能に嫉妬したりはするが、相反する環境で生まれ育ち、演劇を通してお互いの才能を認め合い、友情に似た感情も持ち合わせている。
3の恋愛は少女漫画にはほぼ欠かせない要素である。
恋愛についてはこの漫画の中では少し複雑で、普通に考えれば結ばれることのない関係になっている。
(年齢差もそうだが、社会的立場においても)最後まで全くもって予想が付かないので、友人の間でも議論を醸し出している。


演劇中の話も面白い。
ただ単純に演劇の話自体が面白いのもあるのだが、セリフが多くてもスラスラ読めてしまう。


初めてこの漫画を読んだとき、既に37巻くらいまで出ていたのだが、一気に読んでしまった記憶がある。

今まで色々な人に勧めてきたが、つまらないと突っ返されたことは一度もない。
男女問わず楽しめるイチオシ作品。
傑作である。

子ども達に囲碁ブームを巻き起こした傑作


この漫画はジャンプでは当時、衝撃的な内容でデビューした。
そもそも低年齢層向けの漫画雑誌で、かろうじて将棋はあっても、囲碁を題材にした漫画はほとんどない。
そもそも囲碁のルールをしらない人も多いだろう。
子どもならなおさらだ。
ところがいまや、この漫画が子どもたちの間で囲碁ブームの火付け役となり、
この漫画を読んでプロになったという子どももいるくらいなので
この漫画が世に与えた影響は少なくない。

おおまかなあらすじは、主人公はある日祖父の家にある蔵の中で古い碁盤を発見した。
そこで主人公だけが血の跡を見、平安時代の碁聖である霊が主人公にとりつく(ホラー的ではない)。
その碁聖はもっと囲碁が打ちたいといい、主人公はとある碁会所で彼の指示する通りに囲碁を打った。
そのとき、負かした相手は主人公と同い年の少年であったが、その少年は囲碁界の名人の息子で
同じ年頃の棋士の間では負け知らずだった。
やがて、少年は主人公を(正確にいうと主人公にとりついてる碁聖を)追いかけ、主人公は碁のおもしろさを知り
碁の才能を開花していく・・・。


まず、この漫画の巧いところは、対局の時間を著しく少なくしているところだ。
少年漫画はたいてい、肉体的に自分の強さを追い求めること以外は、何かのテーマがほぼ必ずある。 それがスポーツだったり芸術だったりするのだが、たいていはスポーツだ。
スポーツも、この漫画のように囲碁でも、あまり試合の時間を長く描きすぎるとおそらく編集者は嫌な顔をするのではないだろうか?
スラムダンクがいい例だが、あの漫画からは作者の試合に対する思い入れがかなり伝わってきた。
だが、読んでいる側は、毎回毎回行われる試合に飽きてきてしまう。
スポーツはまだいい。ルールがわかるから。
囲碁の対局なんざ永遠に描かれたら、読者はたまったものじゃない。
原作者は囲碁は趣味程度で打っているとどこかで読んだが、
それが功を奏したのかもしれない。


次に、画が非常に写実的であること。
ジャンプは昔、比較的写実的な漫画が多かったのだが、近年、対象年齢の的が低学年に絞られてきたせいか、ポップな感じの作品が増えた。
ところがこの漫画は実際の駅やビル、建物等をそのまま写真のように描き、読者にリアルさを伝えている。
そのことがより、少年たちに囲碁界を身近なものに感じさせることができる。
それまでは囲碁のプロになる方法など(私も含め)知らない人がほとんどであっただろう。
それが、実際10代でプロ棋士になる人達が、日本棋院の院生になりプロ試験を目指す、という抽象的なフローが実際の風景とともに現実的なものになる。
特に日本棋院の建物は、日本棋院の全面的バックアップによって細部に渡り
忠実に描かれているらしい。


そして、平安時代の碁聖の登場。
この碁聖が主人公にとりついているという設定が少年漫画らしい。
その碁聖が現代における最強の棋士達をぶったぎっていく様子は見ていて痛快だ。
このような話の流れは少年たちにウケがいい。


大人がよんでも十分楽しめる漫画である。


だが、この漫画もその人気故に後半は多少ダラダラした話が続いてしまった。


少年漫画の2番目の特徴として、主人公成長型と主人公奇抜型がある。
前者はその名の通り最初は素人だった主人公が徐々に成長していき、やがて大物になるパターンだ。
スラムダンク、ホイッスル、NARUTO、など、挙げれば枚挙に遑がない。
ヒカルの碁もこちらに入る。
後者は主人公が最初から物凄い才能を持っているパターンで、最近だとテニスの王子様なんかがいい例だ。
(後者のパターンは飽きられるのも早い)

ヒカルの碁においては、碁聖の霊が碁をほとんど打たなくなり、主人公の成長を追いかけるようになってしまってから私は少々嫌な予感がしていた。
読者としては、敵なしの碁聖が強い棋士を倒していく光景は見ていて気分がいいのだ。
主人公がプロを目指し始めたあたりからはいかにもジャンプらしい展開でライバルを追いかけていく過程で様々な強敵と戦い、また仲間になっていく、そのあたりはまぁ必須項目だろう。
だが、碁聖の霊が成仏(?)してしまった後、一度 “1部完” といった形で終わっている。
このとき「あ、作者は終わらせようと思ってたけど、編集部にとめられたな」
と直感で感じた。


この後は1部の話を延命させたような話が続く。
だが、最終巻までは少しダラダラした感はあったものの、そこそこうまく終わらせたと思う。(曖昧なままになっていることもあるが・・・)


傑作とまではいかないが、万人にウケる漫画であると思う。

前世を題材にした壮大なストーリー 


80年代後半から90年代前半にかけて、「花とゆめ」で連載された少女漫画である。
当時、「花とゆめ」はどちらかといえば中学生~高校生くらいの位置づけであったと記憶している。
少々複雑な話なので小学生には理解しづらいかもしれない。


話のテーマは “前世” である。
同い年の高校生7名が毎晩同じ設定の夢を見てしかも内容は全て合致している。
どうやら前世の夢であり、断片的であるが、彼らは徐々に過去の記憶を取り戻していく。
それはやがて今生の彼らへ大きく影響していく。

始めの頃は、前世のストーリーも途切れ途切れで、つながりが無い。
最初はその7人も、面白半分にサークル活動のように集会を開いたりしていた。
だが、前世の夢が進んでいくと、封印したい記憶、忌々しい過去が蘇ってきた。
前世は前世、今は今と割り切っていた彼らも、段々と前世の記憶に翻弄され始める。

後編では、前世の出来事が全て明らかになる。


私のお気に入りの少女漫画の一つである。
今の時代で見ると多少古さを感じるが、話の斬新さは今でも十分伝わってくる。
恋愛がメインの話ではあるが、前世であった罪や関係が重いテーマとして描かれている。

恋愛の相関関係はなかなか複雑である。
主人公が中心になっているのは仕方がないとしても、周りで、同じくらい濃いエピソードがある。
主人公以外のキャラクターそれぞれが生きているのも特徴だ。

前世の世界観(地球ではない)は、(いくつかの作品の影響も見られるが)
作者の想像力の強さが見れる。 


秀作である。

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