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manga freak 's room 漫画フリークのレビュー部屋です。 今まで読んだ様々な漫画やコミックのレビューや感想、批評を独断と偏見で語ってます。 同人誌とかはありません。
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タロットカードの研究はすごい・・・

今日はマニアックな漫画を一つ・・・。
この漫画、知ってる人のほうが少ないのではなかろうか。そのむかし『ハロウィン』という少女向け軽オカルト漫画雑誌があって、そこで連載されていた。

最初はタロットロードと言う名前で1巻出て、その後タロットウォーズと名前を変え、全部で9巻ほどあった気がする。家にあった漫画はどこかにいってしまったし、もう一度見てみようとBookOFFへ行って見たのだが、見当たらなかったので記憶だけを頼りにレビューしてみようと思う。

主人公は高校生の女の子。 山奥のペンションに住んでいる一人娘で、祖父からタロットカードを教えてもらい、占いの才能を開花させていく。 以上までがタロットロードの内容。 その後、主人公の他に2人の女子高生、一人の男子高校生(かなり中性的) がタロットカード仲間になり、心霊事件等を解決していく(?)
話の筋はこの他に、神話に登場する 『ルシファー』 (Lucifer、ルシフェルとも) が中心となり、様々な悪魔集団vs天使 のようなかなり現実を逸脱した話も多くある。


この漫画に出てくる神話について、簡単に説明すると、ルシファーとは、元々全天使の長だったのだが、唯一絶対の神(ここではヤハウェ)に対抗し、地獄に落とされた。 そして、地獄でルシファーは生きたまま氷付け(?)にされている。 作中、ルシファーは大天使ミカエルとの双子である設定であり、(実際には諸説あり) ミカエルはちょっと嫌な奴になっている・・・。作者はルシファーをかなり美化して描いており、思い入れが感じられる。

最初の頃は、人間界でちょこちょこっと悪さをしている悪魔を退治したり、悪魔の囁きを聞き入れそうになってる人間を救ったりするくらいの規模であったが、段々と主人公ら4人の行動はエスカレート。 幽体離脱から、果てはルシファーを刺し殺すという大役まで(!) まぁ、ハロウィンという雑誌のカテゴリーに見事に嵌っていた漫画であるので、問題はないのだが。

さて、感想を述べたいと思うが、いや、おもしろいですよ。 はっきりいって。

まず、タロットカードの詳細が意外と面白い。 しかも、毎回同じカードを使うのではなく、トート・タロット、マルセイユ版など、様々な種類のタロットカードが出てくる。 それぞれの絵柄が全然違うので、占いの感じも変わってくる。 それまでタロットカードといえば、死神とか、天使とか、せいぜいビックリマンと同じだろうくらいの知識しかなかったのだが、各々の絵と正位置、逆位置での意味の変わり方など、読んでいて「へ~なるほど」と何度か関心した。 

さらに登場人物。 実在する架空人物が数多く登場する。 それは、ルシファーなど、神話に出てくる者だけではなく、アレイスター・クロウリーやヒトラー等史実の人物に及ぶ。

個人的に、特にオカルトに興味はないのだが、どんなテーマの漫画でも、作者の研究熱心さが現れている漫画は読んでいておもしろい。 この漫画の場合、占いという少々敬遠されがちなジャンルであることと、画があまり綺麗ではないこと、話がたまにやりすぎてしまうこと、等、泣き所は多いのだが、個人的には嫌いではない。
ただ、かなり偏った解釈は否めない。 ルシファーに傾倒し過ぎていることもあるが、イエス・キリストが結構いい加減なおじさんでルシファーを犯そうと目論んでいる、という熱心なキリスト教徒が聞いたら怒り狂うだろう突拍子も無い話があったりする。

あまり覚えていないので、このくらいしかかけないのだが、もう一度読む機会があったら、レビューを書き直すかもしれない。

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まだ珍しかった二重人格



一昔前の人ならば、ドラマで見たことがあると思う。
大映ドラマで、杉浦幸のヘタクソな演技と、有り得ないような変身&設定でズタボロのドラマだった。

原作は意外と短い話なのに、ドラマでは20話近くあった。
話はだいぶ付け足されていたが、基本路線は変えてなかった。それが唯一の救い。

ドラマはどうしても80年代当時の色が出てしまい、今見るとかなり古臭い(&恥ずかしい・・・)
だが、漫画の方はそこまで年代を感じない。
暴走族やディスコなんかが出てくるので、ジェネレーションギャップを感じることは多々あるが、画が古くない。
かなり丁寧で綺麗な画だ。質が高い。

ものすごく厳格な祖母に育てられた主人公は、毎日厳しく躾けられ、門限はもちろん、男女交際など以ての外であった。ある日、もう一人の自分が現れ、知らない間に夜な夜な塾をサボったり、部屋を抜け出したりして町に繰り出すようになった。大人しい時の自分とは正反対の性格で目立つ顔立ちや怖いもの知らずな態度に周りの若者たちからも注目を集める。 やがて、もう一人の自分のしたことの “ツケ” が昼間の自分にも降りかかってくるようになる。そして、昼間の自分はもう一人の自分と決着をつけようと決心する。


今ではそうでもないが、当時、二重人格を扱った漫画は珍しかったと思う。かなり斬新だった。
そういう意味でドラマは話題を呼んだのだと思う。

ラストは “想像にお任せ” で終わる。
この手の終わらせ方は納得がいかない読者が多いと思うが、この漫画に関してはこれでよかったのかもしれない。 私としてもはっきりさせたいとは思うが・・・。

本編の他に読みきりが二話。
そのうちの一つが、主人公の厳格な祖母の若かりし頃(明治)の話である。
サブタイトルが -原説-(オリジナル) である。
二重人格になったそもそもの原因を示唆しているのであろうか。
読みきりでありながら、本編の続きのような感じもする。

特に女性にお勧め。

人間が豹に変身するという異色少女漫画


少女漫画界ではかなり名が通っている、篠原千絵の初連載作品。
ドラマ化、映画化もされた。


主人公の高校生、倫子には生まれつき腕に変な形のアザがあった。
そして、最近自分の体に異変が起こりはじめ、ふと暗闇で窓に映った自分の瞳が紫色であることに気づいた。
感情が高ぶったとき、自分の体は猛獣と化し、人を襲う。
また、変身人間の存在を信じ研究をしていたが、学会から変人扱いされ自殺に追い込まれた父を持つ高校教師、曽根原は倫子が変身人間であることに気づき、あの手この手で倫子を実験動物にしようと企む・・・。

これ以上はネタバレになるので、あまりかけないが、上記は内容のほんの一部。

単行本で全12巻。そのうち、6巻~7巻辺りから主人公は変わる。二部構成であるかのように感じるかもしれないが、実際話の筋は一つ。

作者の作品はこのように、ホラー、サスペンスをベースにしたものが多い。
本作品の後にも数々の名作を出している。
その中でも、本作品が小生が長年愛顧している作品だ。

画はお世辞にも上手いとはいえない。
少々雑な感は否めないし、特に少女漫画としてはいまひとつだ。

だが、話の内容は一線を画している。スピード感もあり、抑揚のつけ方も上手い。アクション漫画と比べても遜色ないほどだ。

作中、特に印象に残ったのは、主人公の体が段々と豹に近づいていく過程だ。
料理の最中誤って包丁で怪我をした際、なぜか血の匂いが香ばしく感じ、
我を忘れて舐め続ける、肉の焼き加減がかなりレアになる、
身が軽くなり、高い塀でも飛び越えられるようになる・・・。
私は映画 『ザ・フライ』 で主人公が段々とハエ男になるシーンを思い出した。

よくよく考えてみるとかなり残酷な話だ。
つい先日まで普通の女子高生として生活していたのに、突然自分の生活が一変してしまうのだ。
よく、少女漫画は、主人公を読者の憧れの存在にしたり、共感を得られるようなキャラクターにすることが多い。
だが、本作品では 「私がこうなったらどうしよう・・・」 「かわいそうに・・・」 と思わせるようなどちらかといえば
悲涙を誘うような内容だ。有り得ない内容なのに妙にリアルだったりする。
だが、悲しんでる暇はない、と言わんばかりに話はどんどん先へ進んでいく。
常に雨が降っているような感覚だ。

高評価をしたい作品である。

ドラマ化に関しては語る価値もない、とだけ言っておく。


インドの魅力をたっぷりと表現したオリエンタルラブロマンス





インドは同じアジアの中でも日本から一番遠い場所に位置する国だ。
わが国ではインドについてはあまり深く知られてはいない。
私もこの漫画を読む前は「インドといえば・・・人口が多い、ガンジー、カレー」くらいの認識しかなかった。

時代設定は1940年代前後。
第二次世界大戦が始まるかどうか、世界が緊張してたころだ。
主人公のモイラは英国大使の娘で父に付いてインドのジョドプールにきた。
当時のインドは英国の統治下にあり、モイラの父も英国大使という名のスパイだった。
そんなことは全くわからない無邪気で利発的なモイラと
ジョドプールの王子であったシルバとモイラの出会いから、やがてモイラがマハラーニ(后)になり
激動の時代を二人で助け合い、インドの成長を見守っていく・・・というあらすじ。

当時の印英関係、
インドの宗教事情、
王政の廃止、
一夫多妻制、
貧富の差、
そして差別。

これらインドの歴史や、庶民の生活までが克明に描かれている。

と、ここまで読むとなんだかかたっくるしい政治的な漫画なのか?
と思われそうだが、実際はかなりコミカルだ。

主人公二人は子どもから大人まで成長し、
また、時代もインドの情勢も変化していく。

この漫画を読むと、作者の取材と研究の深さが伺える。
「蒼のマハラジャ」以外にも、中東やシルクロードなどの地域を題材にした漫画が多い。
作中、二人の結婚式のエピソードでは、
その婚礼の儀式をかなり細部まで描いている。
日本人が、王政時代のインドのマハラジャの結婚式を知る機会などなかなかない。

本作品の中では、インドの素晴らしい面だけではなく、
貧困層、差別など、インドに根強く残る問題点を浮き彫りにしている。
主人公モイラが、インドのカースト制度を目の当たりにしたとき、
もはや“差別はよくない”という考えだけではどうにもならない
長い歴史が、障壁となって現れたときの絶望感は壮絶だった。

読んでいない人のために、あまりあらすじに関係あることを書けないのが残念だが、
とにかく是非読んでほしい作品。

これほどの作品が、なぜ文庫本化されないのだろうか?


少女漫画の枠を超えた、アクションサスペンス。


主要登場人物に女性がいない。
主人公と準主人公である二人は白人男性(アッシュ・リンクス)と日本人男性(奥村英二)で、
二人の関係は友情というカテゴリーを超えて、同性愛のラインに近い。

舞台は1980年代後半の米国ニューヨーク。
主人公のアッシュはストリートギャングのボスで、日本から取材にきていた英二と知り合った。
「バナナ・フィッシュ」と呼ばれる合成麻薬の謎を追いかけることになったアッシュだが、
その背景にある陰謀に英二も巻き込まれていく。

1985年といえば、プラザ合意によってようやくドル高が是正されはじめたころだ。
為替レートも円はドルに比べ半分ほどの価値しかなかった。つまり、NYに旅行に行くのに、今だと30万かかるとしたら、当時は60万かかっていた計算になる。アメリカは今ほど気軽にいける場所ではなかった。
更に、当時のニューヨークといえば世界で1.2を争うほどの超犯罪都市。地下鉄は落書きで埋め尽くされ、財布を捕るための殺人が毎日のように起こっていた。この頃はストリートギャングと呼ばれる不良少年グループも数多く存在し、組織によっては1万人を優に超えるものもあった。
彼らは麻薬・銃器・売春などを生業とし、時には警察と激しい銃撃戦になったりと犯罪の質も大人顔負けであったようだ。一時日本の都心部で見られたようなストリートギャングとは比べ物にならない。

作者はこの漫画を描くにあたってどのような取材をしたのだろう?
実際に現地を訪れたとしても、ストリートギャングの取材など無理だろう。
だとしたら、映画や本しかない。
作中には知識不足、事実誤認と見られる箇所がいくつか存在するが、
当時の時代背景を鑑み、そこまで完璧な作品を求めることは聊か酷である。

画は前半と後半でかなりの差があり、初期は雑であるが、後半は質が高いものとなっている。
かなりの長編で読むのは少々しんどいし、内容も難しいので理解するのにも時間がかかるかもしれない。
人によってはこの手の漫画は受け付けない人もいる。

個人的には私の好みの漫画であるが、No.1ではない。
アッシュと英二の関係が、薄いと感じているからだ。話が進むにつれて、アッシュは段々と常人ではない天才の扱いになっていくのだが、そんな彼が唯一心の許せる人物として英二を出してくる。
ところが、そんな英二の存在は私からみれば単なる癒し系の人間にすぎないのだ。
海外を舞台にした漫画は、読者に引かれないように日本人を登場させたりすることはよくあることだが、この漫画の場合、英二の存在が話にそこまで大きいウェイトがあるとは思えない。この二人の関係が同性愛に発展しようがしまいがそこは問題ではないのだが、本筋にそこまでの必要性が感じられないのだ。

とはいえ、やはり大作であるという評価には変わりはない。
長編をしっかりとした話の筋をもって、完結できる漫画家というのは多くはない。
個人的には同作者の『カリフォルニア物語』もオススメ。

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