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インドの魅力をたっぷりと表現したオリエンタルラブロマンス
インドは同じアジアの中でも日本から一番遠い場所に位置する国だ。
わが国ではインドについてはあまり深く知られてはいない。
私もこの漫画を読む前は「インドといえば・・・人口が多い、ガンジー、カレー」くらいの認識しかなかった。
時代設定は1940年代前後。
第二次世界大戦が始まるかどうか、世界が緊張してたころだ。
主人公のモイラは英国大使の娘で父に付いてインドのジョドプールにきた。
当時のインドは英国の統治下にあり、モイラの父も英国大使という名のスパイだった。
そんなことは全くわからない無邪気で利発的なモイラと
ジョドプールの王子であったシルバとモイラの出会いから、やがてモイラがマハラーニ(后)になり
激動の時代を二人で助け合い、インドの成長を見守っていく・・・というあらすじ。
当時の印英関係、
インドの宗教事情、
王政の廃止、
一夫多妻制、
貧富の差、
そして差別。
これらインドの歴史や、庶民の生活までが克明に描かれている。
と、ここまで読むとなんだかかたっくるしい政治的な漫画なのか?
と思われそうだが、実際はかなりコミカルだ。
主人公二人は子どもから大人まで成長し、
また、時代もインドの情勢も変化していく。
この漫画を読むと、作者の取材と研究の深さが伺える。
「蒼のマハラジャ」以外にも、中東やシルクロードなどの地域を題材にした漫画が多い。
作中、二人の結婚式のエピソードでは、
その婚礼の儀式をかなり細部まで描いている。
日本人が、王政時代のインドのマハラジャの結婚式を知る機会などなかなかない。
本作品の中では、インドの素晴らしい面だけではなく、
貧困層、差別など、インドに根強く残る問題点を浮き彫りにしている。
主人公モイラが、インドのカースト制度を目の当たりにしたとき、
もはや“差別はよくない”という考えだけではどうにもならない
長い歴史が、障壁となって現れたときの絶望感は壮絶だった。
読んでいない人のために、あまりあらすじに関係あることを書けないのが残念だが、
とにかく是非読んでほしい作品。
これほどの作品が、なぜ文庫本化されないのだろうか?