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棋士には月が良く似合う?
以前、囲碁を題材にした漫画、『ヒカルの碁』 を紹介したがこちらは将棋である。
ヒカルの碁はジャンプなので、対象年齢は小中学生生くらいまでだが、この漫画はスピリッツで連載され、大人向けである。
この漫画の特徴を一言でいうと(俗語で申し訳ないが) “イッちゃってる” 漫画である。
ヒカルの碁のように未来ある少年たちが互いをライバルであり友人として、共に成長していく~のような明るい内容ではない。対局中の時間軸はかなりゆっくりと進み、まるで登場人物がおかしな幻影を見ているかのような描写が多い。また、対局中に泣いたり、吐血、挙句の果てには失禁も・・・。この漫画を読んでいると 「将棋の棋士ってこんな頭おかしい人ばかりなのか?」と疑いを持ってしまう。
大まかな粗筋は、主人公氷室将介(名前もすごい・・・)は天才棋士であり、高知から上京する。その後数々の好敵手を倒し、最大のライバル滝川と対戦する。。。
この手の漫画は、どうしても普段の生活編と対局編に分かれる。通常→対局を繰り返すのだ。ヒカルの碁は対局場面の割合が、他と比べて圧倒的に少ないので囲碁のルールがわからなくても楽しめる内容になっている。
月下の棋士も、必ずしも将棋の知識は必要ないが、対局の話も多いので、知識があるのとないのでは面白さは違うと思う。
なんだか怪しげな漫画のように描いてしまったが、内容は面白いし、画もかなりレベルが高い。この漫画でも千駄ヶ谷にある将棋会館が登場する。小生は当時高校生で、予備校に通うために千駄ヶ谷駅を電車で通っていたのだが、その頃、千駄ヶ谷駅前の工事の風景が、漫画のなかでも描かれていたので驚いた記憶がある。そのあたりが妙にリアルで、少々恐怖感も覚えさせられたほどであった。
内容が面白かっただけに、惜しい点も多い。一つ目は、やはり途中から飽和状態になってしまったということ。
毎回同じような対局が続くと、どうしても読者にダラダラしてきた印象を与えてしまう。長編漫画の一番難しいところ、それは抑揚をつけることである。あまりにもテンポが一定になってしまうと、それはその漫画のが既に晩年に来ていることを意味する。二つ目は、ドラマ化されたこと。今更語ることも無いが、ドラマ化は漫画のメディア化の中で一番最悪な結果をもたらすことが多い。アニメは特に期限が無いので、大幅に内容を変えられることはそうはない。だが、ドラマ化となると、約3ヶ月の間に収めなければならないので、内容は大幅に変えられてしまう。漫画は漫画で終わり、有終の美を飾ったまま終わってほしいのだ。
女性ウケはよくないと思われる。
好き嫌いの別れる漫画である。
余談:
小生は将棋は簡単にしか知らないが、それでも初手端歩突きは意味ないと思うぞ・・・。