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manga freak 's room 漫画フリークのレビュー部屋です。 今まで読んだ様々な漫画やコミックのレビューや感想、批評を独断と偏見で語ってます。 同人誌とかはありません。
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人気作品と責任感の是非が問われる



漫画家になる前 鳥山明 は、普通のサラリーマンであった。故に彼は、〆切をきちっと守ることをポリシーとしているらしい。 漫画家を志す者にとって、週刊誌での連載は至上の栄光だ。 読み切りでさえも、人気雑誌に掲載されることは本当に狭き門である。 ところがこの作品の作者、富樫義博は、今までに見たことも無いくらい当然の如く、休載、休載、休載、と休載の連載を毎週のように繰り返している。 

おそらく、この漫画は、昨今の日本で出版されている漫画の中で、最もレビューしづらい作品だろう。 他サイトやamazonでも、数々の議論を巻き起こしている。 理由は二つある。 一つは、既に書いた通り、毎週のように休載する、しかもたまに掲載されたかと思えば下書きのようなひどい画、背景等一切なしといった有様で、漫画家としてはあってはならない恥ずべき行為を繰り返している。 にもかかわらず、単行本ではプライベートについて楽しく語っていたりするのだ。 これだけなら、そんな漫画とっとと打ち切りにしてしまえ! で終わるのだが、議論を呼ぶもう一つの理由、この漫画はかなりの人気作なのだ。 

そう、実際この漫画は面白い。 少なくとも私は、新刊を心待ちにしている愛読者の一人である。 話の系統はDBやNARUTOと同じような、主人公戦闘力成長型の内容だが、所謂 ”パワーインフレーション” を起こさない工夫がされている。 (NARUTOも当初は、DBの失敗を見て、主人公の力を抑制するように努力していたようには思えたが、すでにバランスは崩壊している。) DBを例に考えてみよう。 DBでは、常に悟空が強さを求め修行し、その都度新たな強敵が現れる、そしてそれを乗り越えると更に新しい強敵が現れる、というサイクルを延々と繰り返す状態に陥ってしまった。 その方向には終りはないが、、如何せん漫画家は画でその強さの度合いを表現しなければならない。 地面を殴ったらものすごい地割れがするほど強い、がやがて地面を殴ったら地球が破壊されるほど強い、地面を殴らなくても気合を入れるだけで地球はチリと化す、といった具合に漫画家のネタが尽きるまで、ブレーキをかけることなく続いてしまう。

ところがこの漫画、HUNTER × HUNTER は、ものすごく巧みにパワーバランスを均衡にしている。 「一番強いキャラは誰?」という質問をしたならば、読者それぞれが別の人物を選んでもおかしくないくらいだ。 もちろん、人によって体力的な強さと生命エネルギー(この漫画ではオーラといい、そのオーラを操る者を年能力者と呼ぶ)の個人差はあるが、それ以外にもう一つの要素を持たせている。 それが、オーラの系統 という設定で、オーラは生まれ持った系統があり、それを途中で変えることはほぼ不可能、系統は6種類あり、強化系、変化系、具現化系などである。 そして、その系統により得意不得意があり(強化系は放出系に弱い等)、あるものには強いけどあるものには弱い、といったジャンケンのような図式が成り立っている。 また、所謂必殺技は、各々に特徴があり、ユニークな名前と共にそれぞれに長所と短所がある。 これらの設定は作者が当初から予定していたものではないかもしれないが、前々作 『幽・遊・白書』 でも、似たような特殊能力の話があったので、もともとこのような話は得意分野なのかもしれない。

主人公はハンター試験に合格し、父親を探す旅に、試験中に出来た友達と共に修行しながら様々な冒険をしていくというのが大筋だが、その中でも幾つかの大まかな区切りがある。ハンターになるまで、念能力の修行、幻影旅団との戦い、グリードアイランド、キメラアント、と、それぞれのセクションで話はガラリと変わる。 それゆえ飽きが来ない。 敵が自分より格段に強かったとしても、力だけでそれを超えようとするのではなく、戦略を練って対抗したりする。 個人的にはグリードアイランド編が気に入っている。 オンラインRPGのトレーディングカード版に入って自分が実際にプレイヤーとなる、といった夢のような話で、ゲーム内のアイテムと自分の能力を上手く使って攻略していくといった楽しさがある。 それ以降のキメラアント編は少々残酷描写が多いので苦手である。 兎にも角にも、この作品のテンポのよさと、設定の巧妙さは、他の追随を許さないほどよく出来ていると思う。

あまりの休載の多さに、読者の間では様々な憶測が飛び交い、漫画家としてのプロ意識を問う声、それらを超越した面白さを賞賛する意見など、常に話題は尽きない。 漫画家といえでも社会人。仕事の納期を守らないものが、週刊誌の連載を受け持っていてよいのだろうか。 特に、以前紹介した『まんが道』 を読んだ人はわかると思うが、昔の漫画家の〆切厳守の姿勢は半端ではない。 藤子不二雄は原稿を落としたために、全ての雑誌社からそっぽ向かれた。 人気漫画家だからこそ、プロとしてのしっかりとした意識を持って仕事に望んでほしいと誰もが思う。 ところがだ、『ガラスの仮面』 を見てみよう。 現在、作者は長期休載状態。 理由はストーリーの構想をより深く練るため、また雑誌と単行本で別々のストーリーを展開しているためであるらしいが、それが休載の正当な理由になるかといえばこれもまた疑問である。

私の個人的な意見としては・・・本当に何も言えない。 なぜあれほど休載が続くようになったのか、何かしらの理由があると思う。 もし、漫画家として筆を折る決意をしたならば、休載ではなく早期終了にしてしまうだろう。 そしてあの下書き。 あれは作者の意志ではなく、編集部の意志なのだろうか。 そこには、何か意図することがあるのではとも思う。 

現在は完全に長期休載に入ってしまったこの漫画。 私は復活を願っている。

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