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3人の男たちの生き様を車椅子バスケを通して描く
車椅子バスケ。
あまり馴染みのない競技だ。私も含め、パラリンピック等でなんとなく知っている程度の人がほとんどだと思う。
作者は「スラムダンク」や「バガボンド」でお馴染みの井上雄彦。
言うまでもなく、画や間のとり方に特徴がある漫画家だ。
スラムダンクが曖昧なまま終わってしまい、(私の勝手な想像だが、この人もジャンプの編集者に漫画をめちゃくちゃにされた漫画家の一人ではないだろうか?ジャンプ漫画はいかにも作者の意向と反している内容になって終わるパターンが多い気がする。作者が「バガボンド」を“講談社”で書いていることも何かを示唆している?)
「バガボンド」で再び人気が復活した作者であるが、その傍らで不定期連載としてこの漫画を描いている。
作者の漫画は読みやすいし、なんとっても画がいい。だが、このリアルは私にはイマイチなのだ。
作者は特に障害者スポーツを同情的に描いているわけでも悲観的に、または感動的に描いているわけでもない。よく言えば中立的に描いているのだが、それが逆に物語を平坦なものにしてしまっている。
「スラムダンク」のときは、作者の意気込みが感じられた。一話一話に、漫画を面白くしようという気持ちがあったし、実際読んでいてとても楽しかった。キャラクターは、メインもサブもしっかりしていた。「スラムダンク」についてはまた別の機会にコメントしたいと思う。
「リアル」はまず、キャラクターの設定が弱い。主人公は3人いて、それぞれの共通点はバスケット。
それぞれのキャラクターにこれといった強み(特徴)がない。一年に一冊くらいの割合でしか、新刊が出ないのだが、毎回読んでもすーっと読み終わってしまい、毎回物足りない。
批判を承知で敢えて書くが、私は「バガボンド」もあまり評価していない。私が吉川版「宮本武蔵」を知っていたというのもあるが、この漫画からもあまり井上雄彦のよさを感じない。少々厳しい言い方をさせてもらえば、特徴的な画に助けられている部分がほとんどだと思う。「バガボンド」は途中で読むのをやめてしまった。
「リアル」のこの先、もう少し漫画として考え直してほしい。